ますます厳格さが求められる臨床研究

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J-DAVID研究会事務局
大阪市立大学大学院医学研究科
老年血管病態学
庄 司 哲 雄


 新年、明けましておめでとうございます。皆さま、いかがお過ごしでしょうか? 身の引き締まるような空気に包まれるこの時期は、過去から将来へと続く人間の営みについて考え、自分自身の心構えを正すのに、またとない節目だと思うようになりました。
さて、去る2013年は富士山が世界文化遺産に登録されたり、東京オリンピック招致が決まったりと、日本にとって明るいニュースがいくつも流れました。一方で、日本の臨床研究への信頼性が大きく揺らいだ年でもありました。LancetやEur Heart Jなどの権威ある医学雑誌に掲載された論文が、次々と取り下げられました。その後、日本からの論文はアクセプトされにくくなったということも耳にします。日本の医学研究へのリスペクトが一日も早く回復されるように、日本を上げて、また個人個人も努めなければならないと思っています。
幸いなことに、J-DAVID試験では多くの先生方のご助言によりまして、整った試験実施体制で進捗しております。各医療機関からは次々とデータをご送付いただき、それを取り扱うデータセンターも大忙しで作業進めております。また、報告の累積に追いつくべく、イベント評価委員会の先生方には1回4時間の委員会をお願いし、これまで9回開催いただきました。
10月14日には第2回独立データモニタリング委員会を開催いただき、重要な勧告をいただきました。即ち、試験は継続すべし、転居などで試験中止になった症例も是非とも安否確認すべし、カルテの直接閲覧によるデータの整合性確認もピックアップでもすべしなどであります。
ステアリングコミッティーは、上記の勧告を重く受けとめ、実行に移すべく、試験中止症例の追跡、カルテ直接閲覧について、方法や予算について具体的な検討を始めております。詳細が決定しましたら改めてご連絡させていただきます。
1年前のこの紙面では、臨床試験を恋愛の告白に例えてみました。しかし、恋愛があくまでも個人的なものであるのに対し、臨床試験を含む医学研究は社会的な責任を背負った活動であることを、常に認識すべきでしょう。J-DAVID試験の観察期間は残り1年になりましたが、最終報告にはもう少し時間が必要です。今まで以上に真剣な取り組みを続けてまいりますので、引き続きご指導賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。