J-DAVIDに対する期待

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森本 聡
(東京女子医科大学 高血圧・内分泌内科)


私が大学を卒業して入局した内科の医局は、高血圧、呼吸器、血液など多数のグループを擁したが、中でも循環器グループが主流であった。そのため、卒後3年目から2年間勤務した朝日大学附属村上記念病院では、心臓カテーテル検査やカテーテルインターベンションを数多く経験した。その後大学に戻ってからは高血圧グループに所属し、4年間の大学院時代およびそれに続く3年間の米国留学中には高血圧に関する研究を行なった。留学中に、母校の内科がdivision化されることとなり、高血圧グループは腎臓・高血圧内科に再編成された。このため、帰国時には近江八幡市民病院(現近江八幡市立総合医療センター)に腎臓内科医として赴任し、腎生検や透析医療を学ぶこととなった。同病院2年目に、朝日大学附属村上記念病院で心臓カテーテル検査を指導して下さった循環器内科の大先輩が着任された。循環器内科も人手不足であったため、先輩命令(絶対服従が原則!)により透析患者のカテーテルインターベンションを手伝うこととなった。予想通り透析患者では冠動脈の石灰化が強く、カテーテルインターベンションは困難を極めた。冠動脈石灰化を予防するため血清Ca値を上昇させないように細心の注意を払うようになり、血清Ca値を増加させる活性型ビタミンD製剤には少し嫌なイメージを持つようになった。しかし、透析液のCa濃度の調整およびシナカルセトやCa非含有のP吸着薬の使用が可能となってからは、血清Ca値のコントロールは比較的容易となり、悪いイメージは払拭されるようになった。それどころか、ビタミンDには、免疫強化作用、抗炎症作用、抗酸化作用、レニン・アンジオテンシン系抑制作用など様々な有益な作用を有することが明らかとなってきたため、むしろ最近では“大好きな”薬剤となった。そのような折に、庄司先生からJ-DAVIDへの参加のお誘いをいただいた。本試験では、経口活性型ビタミンD製剤の心血管イベント抑制や生命予後改善効果が検証される。大変すばらしい研究であり、参加させていただいていることを光栄に感じている。本試験の成績が公表され、透析治療の更なる発展に寄与する日が来ることを切望している。