日本からの研究の発信

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江里口 理恵子
(University of California Irvine)


 2015年4月よりUniversity of California IrvineのKalantar-Zadeh教授のもとで臨床研究を学んでいます。外国に行くと、日本のことをより意識するということを耳にしていましたが、その通りでした。日常生活において、私が感じたアメリカの良い点は同じコミュニティ、仕事場、学校などでは知らない者同士でも決まり文句のように挨拶をしますし、困ったことがあると、近くにいた人が助けてくれることはしばしばあり、挨拶や助け合いの精神は現代の日本に比べて、上回っている印象です。しかしながら、悪い点としては、銀行や電気・ガスなどの窓口の対応は不親切なことも多く、日本での丁寧さ、親切さの足元にも及びません。

 医療に関しては、日本の透析医療が優れていることを改めて強く実感しています。これまでDOPPS研究などで、血管アクセス、貧血、骨ミネラル代謝異常、生命予後など、欧米諸国と日本との違いについて報告されてきました。日本の透析患者の死亡率が2000年9.2%、2013年9.8%に対し、アメリカの透析患者の死亡率はUSRDSのデータでは2000年19%でしたが、2013年には14%に減少しています。この十数年で医薬品も増え、治療の選択肢も増えているとは思いますが、透析時間の再考、シャント造設の増加など生命予後を改善しようという取り組みの成果もあるのだと思います。日本から研究を発信することで、現在の治療について見直し、医療の変革が起こり、日本だけでなく、世界の患者さんの生命予後の改善に繋がっていくのだと思います。私たちが日本の透析の現場で、色々と考えながら、コツコツと実践していることを報告することの重要性を痛感しています。

 J-DAVID試験という素晴らしい研究に少しでも参加させていただいたことを大変光栄に思いますし、ビタミンDが長寿ホルモンであることの有効性についての検証の結果が世界へ発信される日を心待ちにしています。