J-DAVID試験に大いに期待する

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伊 丹 儀 友
(日鋼記念病院 腎センター)


昨年、Lancet(2012; 379:1419-1427)にアフガニスタンから1歳未満の子供にビタミンDを飲ませた群と非服用群で肺炎の罹患率を検索した論文が掲載された。ビタミンD欠乏は栄養障害など多因子が関与し、ビタミンD補充だけでは不十分であろうと思った。やはり結果は効果なしとのことであった。しかしこのような論文が、一流誌に掲載されることに驚いた。また、最近血清25(OH)D3測定数が増えていることについて医療経済も含め議論がなされている(The Lancet,2012;379:1700-01) 。これらは医学界全体がビタミンDのカルシウム・骨代謝以外の影響効果に関心をもっている表れだろう。
2004年NDTに掲載された酸化1α水ビタミンを服用していた患者は服用していなかった患者よりも心血管事故が少なかったという庄司先生らの論文(Nephrol Dial Transplant 2004;19:179-84)には驚いた。その後ビタミンD投与はCKDや透析患者の生命予後に良好な結果を与えるとの報告が増えてきた。
腹膜透析治療で有名な香港のPhilip教授ら(NDT Plus (2009) 2 (3): 205-212.)のビタミンD投与と予後についての総説の中で表が掲載された。表の一番上に庄司先生らの論文が引用されていた。それを見てうれしく思った。というのは生命予後 ビタミンD、血液透析についての論文を読むと庄司先生論文と同じような報告としてパリカルシトリオール服用者の方がカルシトリオール服用者より生存率が良かったとのTengら(N Engl J Med 2003; 349: 446-456)の論文が先に引用されることが多かったからだ。この論文はビタミンD製剤間で患者生命に与える影響が異なるとの論文でビタミンD製剤を服用したか否かが予後に与える影響を検討した論文ではなかったはずなのにと自分は訝しく思っていた。
別の機会に、庄司先生の論文にコメントしているLetter(Nephrol Dial Transplant (2004) 19: 1660-1661)を読む機会があった。これは「確かに腎性骨症の治療の新しい側面を見出したことは評価するが、この研究はRCTではない、統計処理に問題は(?)そしてこれは日本でなされた、白人とは食事も死亡率も透析のあり方も違う」と自分には皮肉がたっぷりと思える内容のLetterであった。これに対して、庄司先生は論文の欠点は認めつつも、誤解を解くように明快に反論し、最後にClearly, we need a well-designed, controlled prospective clinical trial.と締めくっていた(Nephrol Dial Transplant (2004) 19): 1661)。今思うとこれがJ―DAVID試験のルーツだったと思う。
日本人は何時でもがんばっている。しかし、まだ臨床研究が欧米で認められているは言い難い。このJ-DAVID試験が医学の進歩に寄与し、欧米でも評価されることを望みたい。