J-DAVIDと春を待ちわびて

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石田 真理
(医療法人仁友会 北彩都病院 副院長)


J-DAVID透析室最前線シリーズ最北端の旭川から、石田真理がレポート致します。
前回の佐藤先生の四国は桜前線も通過してしまったであろうこの頃、旭川ではまさに百花繚乱という季節を迎えています。今年の冬は本当に長く寒く、雪だらけの旭川でした。 先日の講演会でVitDが低下する季節とインフルエンザの流行する季節が一致するという話を伺いました。もちろん、要因は日照時間や気温などの要因が関与し、一元的に原因というわけではないのはわかりますが、北彩都の集計では確かに今年は例年よりもはるかに遅く長くインフルエンザが流行し、B型が3月にピークを迎えました。1.25(OH)2D3というたったこの微量な物質でさえ、多様な作用を持つ人体の不思議に驚かされます。
冬の旭川は、路面が凍結しており、さらに頭上からはつららや雪の塊が落下するという危険極まりない環境になります。透析患者たちは、どんなに慣れている地元出身者であっても、転倒による骨折、打撲のリスクが高くなります。今年は、転倒による大腿骨頸部骨折のみならず、頭部打撲による硬膜外血腫の患者も出てしまいました。冬場になると極端に外出が減り歩行時間も減りますので、冬期の筋力や骨密度の低下がおこってきます。だとすると、北国ほど冬場にVitDの内服を強化するといいのかもしれません。血圧に季節変動があり降圧薬を調整するように、VitDの内服にも季節変動を付けるといいのかもしれません。
さらに、JSDTの二次性副甲状腺機能亢進症ガイドラインの改定が行われました。すでに、透析室での回診で検査結果の説明時に、「以前はiPTH180以下を目標としていましたが、いまは240まではよくて、それよりも何よりもリンの管理が優先しますよ」などと、昨日までと打って変わって説明を変えています。つまり、こういった臨床研究やガイドラインは、実臨床現場に直結して診療行動に変化を起こすことができるのです。VitD投与を積極的に勧めてきた当院の医師もそして患者も、J-DAVIDの結果が春の到来同様に待ち遠しいのです。
J-DAVID最北端の街から、熱いエールをこめて。