ビタミンDとの出会い

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稲 熊 大 城 (名古屋第二赤十字病院腎臓病総合医療センター  腎臓内科・血液浄化療法部)


 私とビタミンDとの出会いはかれこれ20年以上前にさかのぼります。名古屋大学を卒業後、瀬戸物で有名な愛知県瀬戸市にある公立陶生病院で初期研修を始めたわけですが、すでに将来は腎臓内科を専攻しようと決めていました。私自身が小学生時代に急性糸球体腎炎に罹患し、約3ヶ月の入院とその後2年以上の通院をしたこともあり腎疾患が身近に感じたことと腎臓内科は病理、生理、代謝および免疫などあらゆる方面から病態をみることができることに魅力を感じたからです。腎臓内科医として駆け出しの頃は、ありとあらゆることが新鮮で日常臨床に没頭していました。その当時、他院より透析歴20年の慢性維持血液透析の患者さんが転院してきました。PTHが著明に高く、血清カルシウムとリンも正常上限を上回っていました。恥ずかしながら、それまで二次性副甲状腺機能亢進症についての知識はほとんどなく、ただどうしたらいいのかを勉強し、その病態の中心のひとつに活性型ビタミンDレベルの低下があることを知り、腎性骨異栄養症に対する興味がわきあがったと同時にビタミンDに強い魅力を感じたことを覚えています。その後、透析患者さんに対して、活性型ビタミンDの経口パルス療法、さらに静注パルス療法が一般臨床で行われるようになり効果を発揮するようになりました。基礎的な研究から、活性型ビタミンDは核内レセプターであるビタミンD受容体と結合することで機能を発揮すること、ビタミンD受容体はあらゆる細胞に存在することがわかり、カルシウム代謝以外多くの重要な働きが報告されてきました。生命予後とビタミンDとの関連についての報告をみるにつけ、ますますビタミンDが好きになってしまいました。とはいえ、すべての患者さんに活性型を含むビタミンD補充が必要かというとFGF23との関連を含め、まだわからない部分が多いことも事実であり、以上の観点から、ビタミンDファンのひとりとして、J-DAVIDの結果に寄せる期待は人一倍であります。