ビタミンDと腎臓に関する文献 2015年

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ビタミンD欠乏の血液透析患者に対するエルゴカルシフェロール補充:ランダム化比較試験
Ergocalciferol Supplementation in Hemodialysis Patients With Vitamin D Deficiency: A Randomized Clinical Trial
Miskulin DC, et al. J Am Soc Nephrol. 2015 Dec 17. pii: ASN.2015040468.
【ポイント】25(OH)D欠乏症においては栄養型ビタミンDの補充が赤血球造血を促進する可能性がある。本研究の対象は血清25(OH)D<30 ng/mLの血液透析患者276人。介入群は血清25(OH)D≦15 ng/mLの場合は50,000 IU/週を6カ月間投与、16~30 mg/mLの場合は50,000 IU/週を最初の3カ月間、残りの3カ月間は50,000IU/月を投与し、比較群にはプラセボを投与。アウトカムはESA投与量。血清25(OH)Dは実薬群で上昇したが、ESA投与量は群内比較でも群間比較でも有意差はなかった。

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レジスタンストレーニング中にビタミンDを摂取すると骨格筋の肥大や筋力を改善するか?―若年および高齢男性におけるランダム化比較試験
Does vitamin-D intake during resistance training improve the skeletal muscle hypertrophic and strength response in young and elderly men? – a randomized controlled trial
Agergaard J, et al.Nutr Metab (Lond). 12: 32. doi: 10.1186/s12986-015-0029-y. eCollection 2015.
【ポイント】デザインはランダム化比較試験。対象は健常若年男性20人と健常高齢男性20人。介入はビタミンD48μg/day+カルシウム800mg/day vs. カルシウム800 mg/dayで介入期間は16週間。投与期間中に大腿四頭筋のレジスタンス運動を段階的に実施し、大腿四頭筋断面積、当尺性筋力、筋生検を実施し筋線維タイプ、VDR・ミオスタチンなどのmRNA発現量を調べた。その結果、レジスタンス運動による筋肉肥大や筋力増強に対してビタミンD摂取による追加効果は有意ではなかったが、若年者では筋線維タイプ、高齢者ではmuscle qualityで改善が認められた。

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進行期慢性腎臓病における活性型ビタミンD製剤の肺うっ血抑制能力
Ability of vitamin D receptor activator to prevent pulmonary congestion in advanced chronic kidney disease.
Sueta S, et al. Clin Exp Nephrol 19: 371-378, 2015
【ポイント】透析導入患者におけるVDRA使用有無と肺うっ血有無との関連を調べた断面的研究。症例数952人中303人にVDRAが使用されていた。VDRA使用は肺うっ血合併と負の関連を示し、多変量ロジスティック解析でOR 0.64 (0.44-0.94), P=0.02であった。

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CKD患者におけるヘモグロビン値に対するパリカルシトール対カルシトリオールの効果:ランダム化試験
Effect of paricalcitol vs calcitriol on hemoglobin levels in chronic kidney disease patients: a randomized trial
Riccio E, et al. PLoS One 10 : e0118174, 2015
【ポイント】CKD stage 3b-5でHb 10-12.5 g/dLの貧血患者60人を対象に実施した6カ月のRCT。カルシトリオール群ではHbは低下したがパリカルシトール群では上昇した。一方両群でCa, P, PTH, 炎症マーカー、蛋白尿に差はなかった。

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CKDにおける薬剤の血清PTH, P, Caへの効果と死亡率との関連:メタ解析
Association of Drug Effects on Serum Parathyroid Hormone, Phosphorus, and Calcium Levels With Mortality in CKD: A Meta-analysis
Palmer SC, et al. Am J Kidney Dis. 2015 May 20. pii: S0272-6386(15)00633-2. doi:10.1053/j.ajkd.2015.03.036.
【ポイント】生化学検査値と死亡のエンドポイントを報告している28のRCTのメタ解析。6999人の参加者において、薬物による生化学検査の変化と薬物による死亡エンドポイントの間の関連を検討した。CKDにおいては、血清Ca、P、PTH値への薬物効果は総死亡やCVD死亡との関連は弱く不正確である。治療による死亡に対するベネフィットも除外できない。

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新規VDRA VS-105はエナラプリル投与下の5/6腎摘ラットの心機能を改善する
Vitamin D receptor agonist VS-105 improves cardiac function in the presence of enalapril in 5/6 nephrectomized rats.
Wu-Wong JR, et al. Am J Physiol Renal Physiol 308: F309-19, 2015
【ポイント】5/6腎摘ラットモデルにおいて、VS-105はCaを上昇させずPTHを下げた。VS-105は単独でエナラプリルと同等の降圧作用を示し、心肥大を抑制したが、エナラプリル併用で更なる心肥大抑制効果はなかった。VS-105は小腸のCa吸収促進作用がなく、CaトランスポーターCalb3やTRPV6の発現を促進しない。

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パリカルシトールによるKlotho発現調節は腎臓、副甲状腺と大動脈では異なる―腎不全ラットでの検討
Differential expression and regulation of Klotho by paricalcitol in the kidney, parathyroid, and aorta of uremic rats.
Ritter CS, et al. Kidney Int 87: 1141-52, 2015
【ポイント】腎不全で腎臓でのKlotho発現は低下するが、他の臓器でのKlotho発現や変化については議論がある。5/6腎摘ラットのKlotho発現を免疫染色で評価したところ、腎臓と大動脈内膜中膜では低下、副甲状腺では不変、大動脈外膜では増加が認められた。パリカルシトール投与により、腎での低下は抑制、副甲状腺での発現は増加、大動脈中膜では効果なし、外膜での増加は抑制された。

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CKD患者のビタミンD欠乏にビタミンD結合蛋白は関与しない
Vitamin D Binding Protein Is Not Involved in Vitamin D Deficiency in Patients with Chronic Kidney Disease.
Kalousova M, et al. Biomed Res Int, 2015 vol. 2015 pp. 492365
【ポイント】蛋白尿を呈するCKDではビタミンD結合蛋白(DBP)が尿中に失われ、血清25(OH)DD濃度の低下につながるといわれてきた。本研究では、健常群、CKD群、HD群のDBP濃度、25(OH)D濃度を比較し、CKDではDBP濃度は予想に反し高値であることを示している。

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ミネラル代謝バイオマーカーの腎クリアランス
Renal Clearance of Mineral Metabolism Biomarkers.
van Ballegooijen AJ, et al. J Am Soc Nephrol. 2015 Jun 5. pii: ASN.2014121253. [Epub ahead of print]
【ポイント】平均71歳の17人の参加者において、大動脈と腎静脈からの採血により、PTH、FGF23、ビタミンDなどの腎クリアランスを測定した。クレアチニンの除去率が22.1%であったのに対し、PTH除去率は44.2%、FGF23除去率は17.1%だった。腎機能低下にともなうPTH除去の低下は二次性副甲状腺機能亢進症の一因かもしれない。

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CKD成人の総死亡・心血管アウトカムに対する経口ビタミンDアナログの効果:メタ解析

Effect of oral vitamin D analogs on mortality and cardiovascular outcomes among adults with chronic kidney disease: a meta-analysis.
Mann MC, et al. Clin Kidney J 8: 41-48, 2015
【ポイント】CKDでビタミンD・VDRA投与により死亡リスク、心血管死亡リスクを低下できるかという点について、現在までのRCTのメタ解析を行った。臨床アウトカムをみる更に大きいトライアルを行う価値がある。

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ビタミンDとω3脂肪酸によるセロトニン合成と作用コントロールPart 2: ADHA、双極性障害、統合失調症、衝動的行為における重要性
Vitamin D and the omega-3 fatty acids control serotonin synthesis and action, part 2: relevance for ADHD, bipolar, schizophrenia, and impulsive behavior.
Patrick RP, Ames BN. FASEB J. 2015 Feb 24. pii: fj.14-268342. [Epub ahead of print]
【ポイント】過去の報告に基づき、種々の脳機能に関与するセロトニンの合成、放出、機能に対し、それぞれビタミンD, EPA, DHAが関与するという仮説が提示され、種々の神経精神疾患の病態形成への関与が考察されている。

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尿中カルシウム排泄と血清カルシウム・ビタミンDレベルの関連
Association of Urinary Calcium Excretion with Serum Calcium and Vitamin D Levels
Rathod A, et al. Clin J Am Soc Nephrol 10: 452-462, 2015/03/07
【ポイント】624人の男性と669人の女性を対象とした横断的研究。血清Caと尿中Ca排泄は女性でのみ正の関連があった。血清25(OH)D濃度と尿中Ca排泄は男性でのみの関連があった。尿中Ca排泄の調整には性差が示唆される。

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CKD成人における死亡・心血管アウトカムに対する経口ビタミンDアナログの効果:メタ解析
Effect of oral vitamin D analogs on mortality and cardiovascular outcomes among adults with chronic kidney disease: a meta-analysis.
Mann MC, et al. Clin Kidney J 8: 41-48, 2015
【ポイント】CKD成人を対象としたビタミンDアナログを用いたRCTのメタ解析。4246文献から13件が選択された。経口ビタミンDアナログによる効果は、総死亡 (RR: 0.84; 95% CI: 0.47, 1.52), 心血管死亡 (RR: 0.79; 95% CI: 0.26, 2.28)ともに有意ではなかった。。

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二次性副甲状腺機能亢進症を有する慢性血液透析における治療法と予後の最近の変化:DOPPS研究
Recent Changes in Therapeutic Approaches and Association with Outcomes among Patients with Secondary Hyperparathyroidism on Chronic Hemodialysis: The DOPPS Study
Tentori F, et al. Clin J Am Soc Nephrol 10: 98-109, 2015
【ポイント】DOPPS研究のPhase1~4(1996年~2011年)参加者35,655人のデータを用いた、15年間の国際的な治療トレンドとアウトカムの解析。Intact PTHの中央値は日本では変わっていないが、日本以外では上昇している。総死亡リスクはPTH 150-300 pg/mL群に比較し、それより高値では高リスク。PTXなくVDRAもシナカルセトも使用していないでPTH < 50 pg/mLのサブグループも総死亡リスクは高かった。

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