ビタミンDと腎臓に関する文献 2014年

尿酸はin vitroおよびin vivoにおいて1α水酸化酵素を抑制する
Uric acid suppresses 1 alpha hydroxylase in vitro and in vivo
Chen W, et al. Metabolism 63: 150-160, 2014/12/11
【ポイント】痛風患者ではcalcitriolレベルが低く尿酸を低下させると改善することが知られている。その機序をSDラットモデルで検討したところ、尿酸がNFκBを介して1α水酸化酵素を抑制することがわかった。ヒトでの重要性を検討するためにNHANESの9773人のデータを解析したところ、UA 1 mg/dL高値でPTH高値となるオッズ比が1.16 (1.03-1.31)となった。

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CKDにおける25(OH)D測定と補充療法:NKF-KDOQIコントロバシーレポート
25-Hydroxyvitamin D testing and supplementation in CKD: an NKF-KDOQI controversies report.
Kramer H, et al. Am J Kidney Dis 64: 499-509, 2014
【ポイント】CKDにおける25(OH)D投与のベネフィットや閾値については明確ではない。この論文は、CKDにおける栄養型ビタミンDの役割についてまとめた、NKF-KDOQIによる最新情報のレポートである。25(OH)Dの骨維持に対する生物学的機序は全ステージのCKDに拡張されてきているが、投与方法や至適レベルについてのコンセンサスはない。

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eGFRと血中24,25(OH)2D3濃度:5つのコホートと臨床試験の患者レベルでの統合解析
Estimated GFR and circulating 24,25-dihydroxyvitamin D3 concentration: a participant-level analysis of 5 cohort studies and clinical trials.
de Boer IH, et al. Am J Kidney Dis 64: 187-197, 2014
【ポイント】腎不全では25(OH)Dから1,25(OH)2Dへの活性化障害が生じるが、24,25(OH)2Dへの代謝がどうなるのか余り知られていない。本研究では、既存の5つのコホート・臨床試験のデータを統合した9,596人の個々のデータを統合した。eGFRが低い患者ほど血中24,25(OH)2D濃度も低いことが示された。

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血清ビタミンD濃度と統合失調症の関連:観察研究の系統的レビューとメタ解析
Serum vitamin D levels in relation to schizophrenia: a systematic review and meta-analysis of observational studies.
Valipour G, et al. J Clin Endocrinol Metab 99: 3863-72, 2014
【ポイント】統合失調症とビタミンD充足状態との関連について、19の報告を系統的にレビューした。統合失調症におけるビタミンD欠乏は65.3%に認められ、ビタミンD欠乏症例における統合失調症のオッズ比は2.16 (1.32-3.56)であった。

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ビタミンDと認知症・アルツハイマー病のリスク
Vitamin D and the risk of dementia and Alzheimer disease.
Littlejohns TJ, et al. Neurology 83: 920-8, 2014
【ポイント】認知症、心血管疾患、脳卒中既往のない1648人の高齢者における観察コホート研究。血清25(OH)D濃度とAll-cause dementiaおよびAlzheimer disease (AD)発症との関連を検討。5.6年の追跡期間に171人がAll-cause dementiaを発症。50 nmol/L未満のビタミンD不足群で発症リスクが高く、多変量調整後も同様であった。

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ビタミンD充足状態と血圧・高血圧リスク:メンデル・ランダム化解析
Association of vitamin D status with arterial blood pressure and hypertension risk: a mendelian randomisation study
Vimaleswaran KS, et al. Lancet Diabetes Endocrinol. 2014 Jun 25. pii: S2213-8587(14)70113-5. doi: 10.1016/S2213-8587(14)70113-5.
【ポイント】血漿25(OH)D濃度低値と高血圧が関連することが知られているが、因果関係は不明であった。本研究では108,173人のデータを用い、メンデル・ランダム化解析により因果関係について検討している。

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パリカルシトール or シナカルセト中心の治療は、二次性副甲状腺機能亢進症を有する血液透析患者の骨代謝マーカーに影響を与える:IMPACT-SHPT研究の結果
Paricalcitol- or cinacalcet-centred therapy affects markers of bone mineral disease in patients with secondary hyperparathyroidism receiving haemodialysis: results of the IMPACT-SHPT study.
Cozzolino M, et al. Nephrol Dial Transplant 29: 899-905, 2014
【ポイント】SHPTを有する血液透析患者268人が28週間の介入期に進んだ。シナカルセト中心の治療に比較し、パリカルシトール(Pari)内服群もPari静注群も、①骨代謝回転マーカーは抑制、②FGF-23レベルは上昇、③intact PTH管理目標値(150-300 pg/mL)に到達した割合は多かった。

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ビタミンD欠乏状態とβ細胞機能、インスリン感受性との関連に対するPTHの影響:前向き観察研究
Prospective Associations of Vitamin D Status with Beta-cell function, Insulin Sensitivity and Glycemia: The Impact of Parathyroid Hormone Status
Kramer CK, et al. Diabetes 2014 Published online before print May 29, 2014, doi: 10.2337/db14-0489
【ポイント】 血清のビタミンD欠乏状態と血糖調節異常との関連には諸説がある。本研究では、出産後3カ月の女性494人を対象に、ビタミンD欠乏状態とPTHを評価し、出産後12カ月後の血糖・インスリン分泌能・インスリン抵抗性との関連を前向きに観察した。血糖調節異常が生じるたのは、ビタミンD欠乏があり、かつPTHが高かった場合であって、PTHが高くない場合にはビタミンD欠乏は血糖調節異常を予測しなかった。

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末期腎不全患者にのビタミンD欠乏は死亡や血管アクセス障害と関連する。
Vitamin D deficiency is associated with mortality and adverse vascular access outcomes in patients with end-stage renal disease
Walker JP, et al. J Vasc Surg (Epub ahead of print)DOI: 10.1016/j.jvs.2014.01.037)
【ポイント】 腎不全のためにパーマネント血管アクセス増設術を受けた128人の後ろ向きコホート研究。血清25(OH)D濃度<20ng/mLを欠乏と定義したところ、55.5%がビタミンD欠乏であった。ビタミンD欠乏は、総死亡、および血管アクセス不全の独立した予測因子であった。

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CKDにおけるビタミンD抵抗性
Vitamin D resistance in chronic kidney disease (CKD)
Parikh A, et al. BMC Nephrol 15:47, 2014
【ポイント】 CKD外来受診の352人を対象とした観察コホート研究。血清25(OH)D濃度>40 ng/mLになるかどうかを目安に、エルゴカルシフェロール内服週当たり10,000単位で開始(50,000単位まで増量可)し、この値に達するかどうかでレスポンダーとノンレスポンダーに分けた。ノンレスポンダー群は経年的にeGFRが低下したが、レスポンダ―はeGFRの上昇が認められた。

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日本人一般住民における血清1,25(OH)2D濃度と腎機能障害の発現
Serum 1,25-dihydroxyvitamin D and the development of kidney dysfunction in a Japanese community
Izumaru, K, et al. Circ J 78: 732-7, 2014
【ポイント】 2417人の一般住民における5年間の観察コホート研究。血清1,25(OH)2D濃度がCKDステージ3-5発症を予測するかどうかをみた。血清1,25(OH)2D濃度高値(第4四分位)と比較し、低値(第1四分位)ではハザード比が1.90であり、10pg/mLの低いとeGFRの年間低下率が0.1mL/min/1.72m2大きかった。

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ビタミンDによる鉄調節因子ヘプシジン抑制
Suppression of iron-regulatory hepcidin by vitamin D.
Bacchetta, J, et al. J Am Soc Nephrol 25: 564-72, 2014
【ポイント】 CKDにおける貧血とヘプシジン高値やビタミンD欠乏が関連している。本研究は肝細胞や単球の培養系に,25(OH)2Dを添加して反応をみた。免疫に関与するカテリシジンは上昇したが、ヘプシジンは抑制、フェロポルチンは増加した。健常人にビタミンDを投与すると、血清ヘプシジン濃度が低下した。

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CKDにおけるコレカルシフェロールのアルブミン尿低下効果:前向き比較試験
The effect of cholecalciferol for lowering albuminuria in chronic kidney disease: a prospective controlled study
Molina P, et al. Nephrol Dial Transplant 29: 97-109, 2014
【ポイント】 CKDにおける貧血とヘプシジン高値やビタミンD欠乏が関連している。本研究は肝細胞や単球の培養系に,25(OH)2Dを添加して反応をみた。免疫に関与するカテリシジンは上昇したが、ヘプシジンは抑制、フェロポルチンは増加した。健常人にビタミンDを投与すると、血清ヘプシジン濃度が低下した。

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CKDにおけるFGF23およびPTHの相対的上昇に対するビタミンDステータスの影響
The impact of vitamin D status on the relative increase in fibroblast growth factor 23 and parathyroid hormone in chronic kidney disease Taal MW, et al. Kidney Int. 2014 Jan 15. doi: 10.1038/ki.2013.537.
【ポイント】 1664人のCKDステージ3症例の観察コホート研究。これまで、CKDの進行過程においてFGF23の上昇はPTHの上昇より先に生じると報告されていたが、この上昇の順番はビタミンDステータスにより異なり、ビタミンD不足状態ではPTH上昇がより大きいことを認めた。

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