ビタミンDと腎臓に関する文献 2013年

黒人米人と白人米人におけるビタミンD結合蛋白とビタミンD充足状態
Vitamin D-binding protein and vitamin D status of black Americans and white Americans
Powe CE, et al. N Engl J Med 369: 1991-2000, 2013
【ポイント】
2085人の一般住民における横断研究。血清総25(OH)D濃度、DBP濃度とDBP遺伝子多型を検討した。白人に比較し黒人では25(OH)D濃度とDBP濃度がともに低値を示し、推算bioavailable 25(OH)Dでは差はなかった。25(OH)D濃度を評価する時には、DBP濃度や遺伝子多型の評価が重要であることを指摘している。

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糖尿病CKDステージ4におけるバルドキソロン・メチル(BEACON試験)
Bardoxolone methyl in type 2 diabetes and stage 4 chronic kidney disease.
De Zeeuw D, et al. N Engl J Med 369: 2492-2503, 2013
【ポイント】
バルドキソロン・メチルはNrf2経路を介して酸化ストレスを抑制し、GFR上昇作用を有する(先行研究BEAM試験)。本研究は本剤の長期効果を検討したRCT。対象は2185人のCKDステージ4の糖尿病患者。介入はバルドキソロン・メチル20 mg/day vs. プラセボ。主要評価項目は末期腎不全あるいは心血管死亡の複合エンドポイント。介入群でGFR上昇が示されたが、心不全による入院あるいは心不全による死亡が有意に多く(HR 1.83, 95%CI 1.32 to 2.55)、試験は早期に中止された。Independent Data and Safety Committeeの勧告により、主要評価項目より安全性を優先して中止されたRCTの例。

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CKDにおける左心室重量に対するパリカルシトールの効果―OPERA試験
Effect of Paricalcitol on Left Ventricular Mass and Function in CKD–The OPERA Trial
Wang AY, et al. J Am Soc Nephrol 10.1681/ASN.2013010103
【ポイント】

左室肥大を有するCKDステージ3~5症例60人を対象とした52週間のRCT。パリカルシトール1μgとプラセボの傾向投与にてMRIによるLVMIの変化を比較した。LVMIの変化には差は認められなかったが、CVD関連入院はパリカルシトール群で少なかった。

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二次性副甲状腺機能亢進症を伴う血液透析患者におけるミネラル代謝異常と死亡:周辺構造モデルによる時間依存性交絡調整したエビデンス
Abnormal Mineral Metabolism and Mortality in Hemodialysis Patients With Secondary Hyperparathyroidism: Evidence From Marginal Structural Models Used to Adjust for Time-Dependent Confounding.
Fukagawa M, et al. Am J Kidney Dis. 2013 Oct 8. pii: S0272-6386(13)01182-7. doi: 10.1053/j.ajkd.2013.08.011.
【ポイント】

二次性副甲状腺機能亢進症を有する血液透析患者8,229人のケースコホート研究。周辺構造モデルを用い時間依存性交絡を調整して、血清Ca、P、PTHレベルの総死亡に対する関連を解析した。血清PはU-shape、Caは右肩上がりの関連を示し、高PTH血症と死亡との関連は認められなかった。

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CKDと糖尿病はビタミンD補充療法抵抗性を予測する
Chronic kidney disease and diabetes mellitus predict resistance to vitamin D replacement therapy
Alshayeb HM, et al. Am J Med Sci 345: 314-20, 2013
【ポイント】

血清25(OH)D2<30 ng/mLでビタミンD2(50,000 IU/week)の補充療法を受けた退役軍人183人におけるRetrospectiveな観察研究。ロジスティックモデルを用いた解析で、GFR低値や糖尿病の存在は、投与量当たりの血清25(OH)D2濃度の不十分な上昇の独立した予測因子であった。

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収縮期高血圧を有する高齢者における血圧低下のためのコレカルシフェロール治療:VitDISHランダム化比較試験
Cholecalciferol Treatment to Reduce Blood Pressure in Older Patients With Isolated Systolic Hypertension: The VitDISH Randomized Controlled Trial
Witham MD, et al.
JAMA Intern Med (Epub date 2013/08/14)
DOI 10.1001/jamainternmed.2013.9043
【ポイント】
収縮期高血圧を有する70歳以上159人によるRCT。平均血清25(OH)Dレベルは18 ng/mL。コレカルシフェレロール10万単を3カ月間隔で1年間投与。プラセボ群に比し25(OH)Dは8 ng/mL上昇したが、血圧に差はなかった。24時間血圧、動脈Stiffness、内皮機能、コレステロール、血糖、歩行距離などの二次エンドポイントにも有意な差は認められなかった。

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血液透析患者における25(OH)ビタミンD低値と認知機能障害
Low 25-hydroxyvitamin D levels and cognitive impairment in hemodialysis patients
Shaffi K, et al. Clin J Am Soc Nephrol 8: 979-86, 2013
【ポイント】
デザインは横断的観察研究。対象は2004年から2012年に実施されたDialysis and Cognition Studyに参加した255人の血液透析患者。血中25(OH)D濃度により分けられたサブグループ間で認知機能を比較した。25(OH)D濃度が高いほど認知機能が高かったが、記憶力とは関連がなく、Executive functionとの関連が有意であった。

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1型糖尿病における血中ビタミンD代謝物と無症候性動脈硬化との関連
Circulating Vitamin D Metabolites and Subclinical Atherosclerosis in Type 1 Diabetes.
Sachs MC, et al.
Diabetes Care. 2013 Mar 25.
【ポイント】
1型糖尿病における臨床試験DCCT参加者1193症例におけるstaggered cross-sectional study。試験終了時の血漿25D, 1,25D, 24,25D濃度と、その後に計測されたCAC、IMTとの関連検討したところ、25D濃度低値で石灰化が少ない傾向があった。IMTと関連するビタミンD代謝物はなかった。

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CKDステージ3におけるセベラマーの心血管系への効果
Cardiovascular Effects of Sevelamer in Stage 3 CKD
Chue CD, et al.
J Am Soc Nephrol 24: 842-52, 2013
【ポイント】
CKDステージ3症例109人を対象に、炭酸セベラマーの心血管系効果をプラセボ対照と比較した40週間のRCT。LV mass, 収縮・拡張機能、頸動脈-大腿動脈PWVに対する有意な効果は認められなかった。80%以上の内服コンプライアンスが確認できた症例(全体の56%)のみでは、尿中P排泄と血清FGF-23レベルの低下が示された。

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CKD患者におけるFGF-23, 高感度トロポニンと左室肥大
Fibroblast Growth Factor 23, High-Sensitivity Cardiac Troponin, and Left Ventricular Hypertrophy in CKD
Smith K, et al. Am J Kidney Dis 61: 67-73, 2013
【ポイント】
保存期CKD患者153例における断面研究。FGF-23レベルはトロポニンT/Iと有意な関連を示すがLVMIで調整すると有意ではなくなる。FGF-23高値は左室肥大を介してトロポニン高値寄与する可能性がある。

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血液透析患者におけるコレカルシフェロール補充に対するCa吸収の反応
Calcium Absorption Response to Cholecalciferol Supplementation in Hemodialysis
Armas LA, et al. Clin J Am Soc Nephrol (online), 2013
【ポイント】
血液透析患者50例において、週に20000単位の天然型ビタミンD(コレカルシフェロール)を12~13週投与し、前後でカルシウム吸収を調べた。25(OH)Dは14.2ng/ml から49.3ng/mlに、1,25(OH)2Dは15.1pg/mlから20.5pg/ml に上昇したが、Ca吸収率は12%から12%で変化はなかった。

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