ビタミンDと腎臓に関する文献 2003年以前

Survival of patients undergoing hemodialysis with paricalcitol or calcitriol therapy.
Teng M, et al. N Engl J Med 349: 446-456, 2003
【ポイント】
長期血液透析患者の生命予後を、カルシトリオール使用群(N=38,378)とパリカルシトール使用群(N=29,021)とで比較した観察コホート研究。総死亡率はパリカルシトール群で低かった。治療をスイッチした患者でも、カルシトリオールからパリカルシトールに治療変更した群で死亡率は低かった。

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マウスにおけるビタミンD受容体欠損は骨格筋発達異常をきたし筋調整転写因子発現異常を伴う
Deletion of vitamin D receptor gene in mice results in abnormal skeletal muscle development with deregulated expression of myoregulatory transcription factors
Endo I, Inoue D, Mitsui T, et al. Endocrinology 144: 5138-5144, 2003
【ポイント】
VDR-/-マウスでは、骨格筋細胞の分化は正常だが、筋繊維が小さく大小不同。低Ca,低P血症とは独立。myf5, myogenin, E2A, early myosin heavy chain isoformsの発現更新を伴った。VDR+/+マウスに1,25(OH)2D3を投与するとこれらはdown regulateされた。活性型ビタミンDが骨格筋発達に生理学的意義を有する可能性を示唆した重要論文。

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1,25(OH)2D3はレニン・アンジオテンシン系の負の内分泌調整因子
1,25-Dihydroxyvitamin D(3) is a negative endocrine regulator of the renin-angiotensin system
Li YC, Kong J, Wei M, et al. J Clin Invest 110: 229-238, 2002
【ポイント】
ビタミンD受容体(VDR)ノックアウトマウスは、レニンとアンジオテンシンⅡの発現を増加し、高血圧、心肥大をきたした。野生型マウスでは、レニン発現は1,25(OH)2D3産生を抑制すると増加し、1,25(OH)2D3注射で抑制された。活性型ビタミンDがレニン・アンジオテンシン系を抑制して心血管病変を抑制することを示した重要論文。

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血中MMP9,ビタミンD濃度とTIMP-1反応のVDR遺伝子多型に伴う多様性
Circulating MMP9, vitamin D and variation in the TIMP-1 response with VDR genotype: mechanisms for inflammatory damage in chronic disorders?
Timms PM, Mannan N, Hitman GA, et al. QJM 95: 787-796, 2002
【ポイント】
健康なBritish Bangladeshi成人171人において、炎症マーカーであるMMP9とCRPはビタミンD濃度と逆相関した。ビタミンD欠乏群で1年間の補充を行ったら、MMP9(-68%), TIMP-1(-38%)、CRP(-23%)が有意に低下した。ビタミンD欠乏が炎症マーカー上昇の原因となる可能性を一般住民で示唆。

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ビタミンD摂取と1型糖尿病発症リスク:出生時コホート研究
Intake of vitamin D and risk of type 1 diabetes: a birth-cohort study
Hypponen E, Laara E, Reunanen A, et al. Lancet 358: 1500-1503, 2001
【ポイント】
約12000症例の北欧における出生時コホート研究において、乳児期にビタミンD補充の有無は将来の1型糖尿病発症リスクと関連し、ビタミンD補充で調整ハザード比は0.12(95% CI 0.03–0.51)で、リスク低下に関連していた。

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ビタミンD欠乏は末期腎不全患者の血清アルブミン低レベルに重要である
Vitamin D deficiency is implicated in reduced serum albumin concentrations in patients with end-stage renal disease
Yonemura K, Fujimoto T, Fujigaki Y, et al. Am J Kidney Dis 36: 337-344, 2000
【ポイント】
透析導入患者51症例のうち、血中1,25(OH)2D3濃度低値群では血清アルブミン値が低く、活性型ビタミンD補充により血清アルブミン値が上昇した。活性型ビタミンDは炎症性サイトカイン分泌を調整し、炎症でアルブミンが低下することから、活性型ビタミンD欠乏がアルブミン低値の原因の一つになる可能性を示唆。

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前立腺がんリスクと発症前血清25(OH)Dレベル(フィンランド)
Prostate cancer risk and prediagnostic serum 25-hydroxyvitamin D levels (Finland)
Ahonen MH, Tenkanen L, Teppo L, et al. Cancer Causes Control 11: 847-852, 2000
【ポイント】
ヘルシンキハートスタディに参加した中年男性約19000名のうち、13年間の追跡で前立腺がん発症者が149症例あった。背景をマッチさせた非発症者を選択し、血中25(OH)D濃度を測定、ネステッドケースコントロール研究を行ったところ、25(OH)D濃度低値は前立腺発症リスクが高く、発症者のなかでは発症年齢が若かった。

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活性型ビタミンD使用透析患者では総死亡のリスクが低い
日本透析医学会: わが国の慢性透析療法の現況(1998年12月31日現在). 東京, 日本透析医学会, pp 622-624, 1999
【ポイント】
年齢、性別、透析歴、糖尿病に対して調整した77,486 症例について、活性型ビタミンD製剤使用なし群に比較し、使用あり群では、死亡リスクが24%低かった。ビタミンDと生命予後について検討した、日本透析医学会統計調査委員会によるおそらく世界初の解析。

 

カルシトリオール静注療法は二次性副甲状腺機能亢進症透析患者の心肥大を改善する
Intravenous calcitriol regresses myocardial hypertrophy in hemodialysis patients with secondary hyperparathyroidism
Park CW, Oh YS, Shin YS, et al. Am J Kidney Dis 33: 73-81, 1999
【ポイント】
15症例のSHPT合併血液透析患者における15週間のカルシトリオール静注パルス前後で、心エコーでみた心肥大が改善した。非投与群10症例ではこのような変化はみられなかった。活性型ビタミンD欠乏、またはSHPTが心肥大に関与している可能性を示唆。

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1,25(OH)2D3は尿毒症におけるインスリンや脂質異常を改善する
1,25-Dihydroxyvitamin D3 corrects insulin and lipid abnormalities in uremia
Mak RH. Kidney Int 53: 1353-1357, 1998
【ポイント】
平均年齢19歳の維持血液透析患者において、4週間のカルシトリオール静注パルス療法の前後で、PTH改善はなかったが糖代謝(OGTT)と高TG血症が改善した。活性型ビタミンDが糖代謝・脂質代謝に関係する可能性を示唆。

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透析患者の収縮期・拡張期心機能に対するカルシトリオール静注の効果
Effect of intravenous calcitriol on cardiac systolic and diastolic function in patients on hemodialysis
Lemmila S, Saha H, Virtanen V, et al. Am J Nephrol 18: 404-410, 1998
【ポイント】
10人の二次性副甲状腺機能亢進症の透析患者を対象に、カルシトリオール静注パルス療法前後の心機能を超音波法で評価。収縮能の有意な改善が認められた。

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血中活性型ビタミンD濃度は冠動脈石灰化と逆相関する
Active serum vitamin D levels are inversely correlated with coronary calcification
Watson KE, Abrolat ML, Malone LL, et al. Circulation 96: 1755-1760, 1997
【ポイント】
血中活性型ビタミンD濃度は冠動脈石灰化と逆相関したが、オステオカルシンやPTHは相関しなかった。活性型ビタミンDが血管石灰化抑制因子として作用する可能性を示唆。

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インスリン依存型糖尿病その他の自己免疫疾患におけるビタミンDアナログ:治療的展望
Vitamin D analogues in insulin-dependent diabetes mellitus and other autoimmune diseases: a therapeutic perspective
Mauricio D, Mandrup-Poulsen T, Nerup J. Diabetes Metab Rev 12: 57-68, 1996
【ポイント】
レビュー

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透析患者におけるカルシトリオール静脈投与によるインスリン感受性の正常化
Intravenous calcitriol normalizes insulin sensitivity in uremic patients
Kautzky-Willer A, Pacini G, Barnas U, et al. Kidney Int 47: 200-206, 1995
【ポイント】
10人の健常群と10人の透析患者を対象に、ミニマルモデルを用いてインスリン感受性を評価し、透析患者に対する12週間の1,25(OH)2D3投与で改善を認めた。直接作用・二次性副甲状腺機能亢進症改善を介する作用を想定。

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1,25(OH)2D3の免疫調整作用
Immunomodulatory actions of 1,25-dihydroxyvitamin D3
Lemire JM. J Steroid Biochem Mol Biol 53: 599-602, 1995
【ポイント】
活性型ビタミンDとアナログの免疫調整作用についてのレビュー。自己免疫疾患や移植での有用性について考察。

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ヒト単球様細胞(THP-1)におけるスキャベンジャー受容体誘導に対する1,25(OH)2D3の抑制効果
Effect of 1,25-dihydroxyvitamin D3 on induction of scavenger receptor and differentiation of 12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate-treated THP-1 human monocyte like cells
Suematsu Y, Nishizawa Y, Shioi A, et al. J Cell Physiol 165: 547-555, 1995
【ポイント】
培養THP-1細胞をフォルボルエステルでマクロファージ化させるとスキャベンジャー受容体が発現するが、1,25(OH)2D3により容量依存的に抑制された。活性型ビタミンDがマクロファージ泡沫化や動脈硬化を抑制する可能性を示唆。

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CD-1マウスにおけるストレプトゾトシン低用量頻回注射による糖尿病発症は、1α(OH)D3により部分的に防御できる
Partial protection of 1 alpha-hydroxyvitamin D3 against the development of diabetes induced by multiple low-dose streptozotocin injection in CD-1 mice
Inaba M, Nishizawa Y, Song K, et al. Metabolism 41: 631-635, 1992
【ポイント】
活性型ビタミンDがマウスにおける1型糖尿病発症を抑制することを示し、免疫学的機序を想定。

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1,25(OH)2D3とラット血管平滑筋細胞の増殖
1,25-Dihydroxyvitamin D3 and rat vascular smooth muscle cell growth
Carthy EP, Yamashita W, Hsu A, et al. Hypertension 13: 954-959, 1989
【ポイント】
培養マウス血管平滑筋細胞の増殖はEGFで促進され、1,25(OH)2D3添加により抑制された。ビタミンD欠乏は高血圧や動脈硬化を促進する可能性を示唆。

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透析患者におけるインターロイキン2産生に対する1α(OH)D3の生体内効果
In vivo effect of 1 alpha-hydroxyvitamin D3 on interleukin-2 production in hemodialysis patients
Tabata T, Shoji T, Kikunami K, et al. Nephron 50: 295-298, 1988
【ポイント】
透析患者の血液単核細胞(主にリンパ球)からのIL-2産生能は低下しているが、アルファカルシドール0.5μg/日経口投与で改善した。

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マウス培養細胞におけるメタロチオネイン遺伝子発現の1α,25(OH)2D3による調整
Regulation of metallothionein gene expression by 1 alpha,25-dihydroxyvitamin D3 in cultured cells and in mice
Karasawa M, H osoi J, Hashiba H, et al. Proc Natl Acad Sci U S A 84: 8810-8813, 1987
【ポイント】
活性型ビタミンDはケラチノサイトの増殖調整に作用することを示し、乾癬などの皮膚角質化の治療への道を開いた。

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ビタミンDによって誘導されるラット冠動脈平滑筋細胞の増殖
Smooth muscle cell proliferation in the rat coronary artery induced by vitamin D
Mohtai M, Yamamoto T. Atherosclerosis 63: 193-202, 1987
【ポイント】
ラットにビタミンD2を大量に経口投与した時の血管平滑筋細胞を電子顕微鏡で観察し、血管平滑筋細胞の増殖が内皮細胞脱落なしに生じることを見出した。大量のビタミンDは動脈硬化を促進する可能性を示唆。

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透析患者における細胞性免疫に対する1α(OH)D3の効果
The effect of 1 alpha-hydroxyvitamin D3 on cell-mediated immunity in hemodialyzedpatients
Tabata T, Suzuki R, Kikunami K, et al. J Clin Endocrinol Metab 63: 1218-1221, 1986
【ポイント】
透析患者で低下している細胞性免疫能は、経口アルファカルシドール0.5μg/日の投与により改善した。透析患者の免疫能低下に活性型ビタミンD不足が関係していることを示唆。

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マウス骨髄性白血病細胞のα,25(OH)2D3による分化
Differentiation of mouse myeloid leukemia cells induced by 1 alpha,2 5-dihydroxyvitamin D3
Abe E, Miyaura C, Sakagami H, et al. Proc Natl Acad Sci U S A 78: 4990-4994, 1981
【ポイント】
活性型ビタミンDの抗腫瘍効果を初めて示した重要な論文

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ヒト骨髄性白血病細胞の1,25(OH)2D3 による分化誘導
1 alpha,25-Dihydroxyvitamin D3 induces differentiation of human myeloid leukemia cells
Miyaura C, Abe E, Kuribayashi T, et al. Biochem Biophys Res Commun 102: 937-943, 1981
【ポイント】
活性型ビタミンDの抗腫瘍効果をヒトの細胞で示した重要な論文

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