私と活性型ビタミンDとの関わり

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藤 森 明
(甲南病院 血液浄化・腎センター)


 私は昭和59年に神戸大学を卒業して、骨・ミネラル代謝の研究に興味を持ち、第三内科に入局させていただきました。実は私も内分泌・代謝疾患講座の教室員として、臨床医の第一歩を踏み出したのです。恩師の藤田拓男教授には、骨粗鬆症の基礎と臨床を教えていただきました。その頃はちょうど骨粗鬆症治療薬としての活性型ビタミンD(VD)が使われはじめ、VD研究が盛んになってきた時でした。それまではカルシウム製剤やエストロゲンの補充ぐらいしか治療法がなかったので、VDに対する期待は非常に大きかったわけです。藤田教授は、骨代謝だけでなく糖尿病や高血圧症などに対するVDの効果にも興味をもっておられました。私たちが「まさかそこまで」と考えていた多面的作用が現在明らかにされつつあるわけです。
 その後平成4年から、現在の甲南病院でお世話になるようになりました。主に腎臓・透析の領域で仕事をさせてもらうようになりましたが、現在でも骨粗鬆症の診療は続けさせていただいています。ビスフォスフォネート、抗RANKL抗体、PTH、SERMなど30年前にはなかった強力な治療薬が使われるようになっていますが、エルデカルシトールという新しい誘導体も開発され、VDは今でも骨粗鬆症治療に無くてはならない薬剤として活躍しています。骨密度に対する作用以外に筋力維持や転倒予防の効果もあることから、特に高齢の骨粗鬆症患者さんには重要な治療薬と考えています。
 透析患者さんにとってVDは諸刃の剣のようなものであると思っています。適正に使用すると本当に予後改善の効果があるのかどうか、J-DAVID試験の結果が楽しみです。私は常々Made in Japanにこだわっているのですが、医学的なエビデンスも日本からどんどん世界に発信していかないといけないと考えています。J-DAVID試験の様な素晴らしい研究を企画し遂行されている庄司先生のお力には心から感服いたします。